『心脳コントロール社会』 私たちは心も脳もコントロールされている。




心脳コントロール社会 (ちくま新書)

それと気づかれないまま、人を特定の方向に誘導するマインド・マネジメント。
脳科学の知見を取り入れた「心脳マーケティング」に基づくこの手法は、
今や商品広告のみならず、政治の世界でも使われている。

マス・メディアを通してなされるこの種の「心脳」操作は、
問題を「快」か「不快」かの二者択一に単純化し、人を思考停止へと追い込む。
「テロとの戦い」を叫ぶ米ブッシュ政権も、「改革」を旗印とする小泉政権も、
この手法を用いて世論を動かした。
その仕組みを明らかにし、「心脳」操作に騙されないための手立てを提示する。





マーケティングでは潜在意識に働きかける、
というのは聞いたことがあって、たとえばスーパーでは
商品の並べ方も、道順の中の何気ないものにも、
潜在意識に働きかけるような手法が使われているというような
番組だったか何かを見たこともありました。


今はそれが、政治の世界にも使われている、ということで…、
ぞっとします。


それは言葉の使い方のようです。
たとえば、ブッシュ政権は、
「地球温暖化」という、あったまっちゃって大変だわ、ということを
想像させる言葉を「気候変動」という中立な語感を持つ言葉に、
「遺産税」というといかにもお金もちにかかる税金なので
「死税」という「死」という否定的な語感をもつ言葉に、
といった具合です(「死税」と言うと、そんなの払う必要のない
貧乏人まで「死んだことに税金をかけるなんてとんでもない」と
反対してくれるんだそうです)。


さらに、今まで「defense」という名で戦争をしてきて、
アフガンでも失敗したから、その後は
War on Terror のように、warを使いだしたのだそう。


Warというのは、War on Drugs(麻薬を撲滅しよう)、
War on Poverty(貧困を撲滅しよう)といった比喩で使われてきていて、
プラスのイメージがあるんだとか…。


そういうことをフランク・ランツという、世論調査と政治戦略を
専門とするマーケット・リサーチャーが、
どの言葉なら人々をコントロールできるか、探りあてて
政治に利用しているんだそう。


おっそろしい。
けど、考えずに、メディアの垂れ流すことを鵜呑みにしてるということは
その手法にはまっているということ。


この本は、2006年に出ています。
それで、小泉劇場の手法も分析してありました。

「郵政民営化YESかNOか」という単純化された
「ワンフレーズ・ポリティクス」によって、「なぜ?」という
問いかけが、日本社会全体から消去され、「改革」を
推し進める善玉「刺客」による悪玉「守旧」派退治という時代劇スペクタルの中で、
マスメディアは「小さな政府」「構造改革」を無前提に支持し、他の重要な
政治課題は一切吹き飛んでしまうような巨大官僚ハリケーンが、
「小泉劇場総選挙」だったのです。
その中で有権者の「人間の脳」が停止させられ、「動物の脳」
におとしめられたのです。





この前の、都知事選を思い出します。
「脱原発YESかNOか」という「ワンフレーズ・ポリティクス」で、
そのほかの重要な政治課題はないような扱いにしていました。
ただ、今回の場合、安倍政権のことは悪玉扱いをしていませんでした。
されたのは、脱原発一本化に反対して都知事選から下りなかった
宇都宮さんのような気がします。


とはいえ、小泉さんは、脱原発としての声をあげてくれたのだから、
これからもぜひ、いたるところで脱原発の呼びかけをして、
人脈のある政治家のみなさまに脱原発を働きかけていって
ほしいと思います。


それと同時に、脱原発を目指すなら、
それこそ、この心脳マーケティングをフルに活用して、
言葉を精査して、抵抗していかねばならないと思います。















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