スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

地産地消を求めるときに必読の書→ 安井孝『地産地消と学校給食』有機農業と食育のまちづくり

甲府の中央商店街に、『春光堂書店』という本屋さんがあって、
ここはまちなか読書会をしたり、なんだかおもしろい本屋さんらしい、
というウワサを聞いていました。


先日、自転車デビューをしまして、
市役所にいった帰り、アーケードをふらふら通っていたら発見!
入ってみました。


なんだかおもしろい品揃え…。
あれも読みたい、これも読みたい、という本がたくさん
あったのですが、出会ってしまいました。


地産地消と学校給食―有機農業と食育のまちづくり (有機農業選書)
私が今取り組みたいこと、
そのものズバリじゃないですか!


前に話をきかせてもらった、北杜の『食と農の杜づくり』課の
方が参考にしていると言っていた、愛媛県今治市の市役所の方が書いた、
学校給食への、有機の地産品を取り入れる取り組みの話でした。


今治市は1981年から地産地消の道を歩み始めたそう。
その経緯と詳細が載っていました。


現在は…
・現在の今治市の地産地消率(今治市内産)は、
米100%、パン約60%。
野菜・果物は重量ベースで愛媛県内産が約60%、
そのうち、今治産有機野菜が約11%、今治産一般野菜が約29%。
豆腐やうどんなどの加工品原料も地元産に切り替えている。

ってすごいです。
甲府は、品目数にして、地産地消率30%、
加工品を入れると(なぜか抜いて計算しているらしいです)、
20%台になるらしいですが。


で、今治市では、30年以上前の、1981年から、
地産地消に取り組み始めたらしいです。
それも、単に地産品というだけでなくて、「有機」であるというのだから、
安全な食への取り組みのすばらしさを実感します。
経緯部分を抜き出します。

【経緯】
・1964年に21000食の調理能力を持つ大型給食センターがオープン。

・1981年2月、給食センターの老朽化に伴う
建て替えを市が発表。さらに大型のものを、川の上流に建てる、という。

・そこで使われる食材の安全性に疑問を持った、「今治くらしの会」のメンバーが、
地元産の安全な食材を使った小・中学校の調理室での手作り給食(自校式)への
切り替えを求める署名運動を広げていく。

・給食センターの立地予定地でも、廃液による水質汚濁を心配する
有機農業家たちが強く反対し、今治くらしの会との方向性が一致。
各地区のこどもたちが食べる分だけ各地区で作ればいい、と考える市民も増える。
→消費者運動が、農業者、市民の発想の転換を促した。

・1981年12月、給食センターの建て替えを争点とした市長選挙が行われる。
建て替えを主張した圧倒的有利と思われていた現職は、自校式を公約にかかげた
新人候補が勝利。

・立花地区有機農業研究会が、自分の地区の子供たちの学校給食に
市に地元産野菜や有機農産物を導入するよう、市長に要望。
市長は快諾、1700食の食材を立花地区有機農業研究会と今治市立
立花農協から調達するよう指示をだす、が、実現までにはタイヘンだった。

というのも…
・それまで市内の八百屋さんの組合である、今治青果事業協同組合を通じて、
今治市公設地方卸売市場から購入していたが、そこから反対の声があがる。

当時の繁信学校給食課長(のち、1999~2005年に市長)は
青果事業共同組合と粘り強く話し合いを続け、以下の条件で理解を得た。

(1)
今治市は地元産の有機農産物や特別栽培農産物を優先的に
学校給食に使用する

(2)
有機農産物等が市場調達される場合は、青果事業共同組合からも購入し、
立花地区の調理場においても積極的に使用する

(3)
慣行農産物も今治産を優先的に使用し、今治産がない場合は近隣産、
愛媛県産、四国産、中国産、というように、今治市に近い産地で
生産されたものを使用する。


結果、購入する青果物の価格は事前入札制ではなく、日々のセリ値に
基づくものとした。このときから、今治市は地産地消の道を歩み始める。
----------------


給食センター建て替えか、自校式かで、
市長選があって、自校式にもどす方を主張した市長さんが
当選したところからの動きだったようですが、
それだけの市民の支持があったのですよね。
すばらしいです。


実際に導入されてからも、現場の調理員さんと
農家さんでも紆余曲折はあったようです。
どろつき、大きさが不ぞろいで調理しにくい、なんて声が
現場からあがっても、有機農家さんは「それが有機だ」
と言ってたり、とか。


それらも、お互いの仕事現場を見るうちに解消されて、
農家さんは洗ってから出荷、自分達で大きさの規格もそろえたり
するようになったそう。


お互いを理解できる仕組みというか、
そういうのも大事ですね。


それから、すごいと思ったのは、
一人あたりの調理食数は約70食、ということです。

甲府は145食。
たぶん、全然余裕がないです。


また、23の調理施設に栄養士がひとりずつ配置されて、
毎日23とおりのメニューがあるそうです。
メニューつくりこそ、栄養士の先生のお仕事の醍醐味ではないかしら、
と思いました。

抜粋します。
---------------
学校給食に地元食材を使いにくい大きな理由としては、
「量がそろわない」「規格がそろわない」といわれる。
今治市でも一度に15000食に対応しようとすると量がそろわない食材が
たくさんある。

でも、調理場を分散し、調理場ごとに食材を発注すれば、地元産に対応できる。
---------------

まさに甲府のネックはここ。
調理場ごとに食材を発注できないから、地元産に対応できないんです。
だったら、調理場ごとに食材を発注できるように
すればいいのに…。


なお、県内産にすると給食費があがる、と聞きますが、
なんと今治市では、一食あたりの給食費は県内で最低、だそうです。
小学校210円
中学校240円

小回りのきく対応をして、
メニューチェックをして定番メニューの食材を
旬のものに変えたり、という工夫をしているそう。

また、地元産を使うことで、外国産の小麦の値段があがったりしても
影響を受けずにすむそうです。
リスクが少ないわけですね。


最後に…
著者の安井さんの恩師に、有機農業が異端視されていた時代に、
なぜそれを研究テーマとし、運動を進めたのかと聞いた答え。


「安井よ、食べ物が安全でなければならないのは社会正義なんだ。
その安全な食べ物を生産するのが有機農業だからだよ」



給食と地産地消について学びたい人には必読の書。
今後どう動いたらいいのかのヒントが満載…だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
地産地消と学校給食―有機農業と食育のまちづくり (有機農業選書)




関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

JA今治立花愛媛県今治市産業部農水港湾局農林水産課地産地消推進室 【送料無料選択可!】地産地消と学校給食 / 有機農業選書 1 (単行本・ムック) / 安井 孝 著食農教育 No.47 2006

2012/10/07 (Sun) 11:16 | 今治バリバリリンク集
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。